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アジアの織物 PANDAN TREE blog

~アジアのことから身近なことまで、きままブログ~
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聖獣Barong

桜も咲き、春爛漫の今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、前回ブログを書いてから、気が付けば1ヶ月以上が経っていた訳ですが(^^;、本当に月日が過ぎるのは早いものですね。

確かその時は、まだ国内でのコロナウィルス騒ぎも、チャーター機での帰国者&大黒ふ頭のクルーズ船のニュースがメインで、感染はまだ50人程といった感じだったかと思いますが…、その後の世界的な拡がりを見ると恐ろしいものですね。

で、そのブログの中で、春に計画していた仕入れ渡航を止むを得ず延期した旨を書かせて頂きましたが、その後も渡航予定であった国のコロナ情報を折々でチェックし続けている次第。
仕入れ渡航自体は、このコロナ騒動が収束して間を置いてから…と思っておりますが、知人の会社でも海外出張がキャンセルになったり、同じく春にアメリカから帰省予定だった姉も悩みつつ延期と決めた様子。
その際に、
「映画のターミナルみたいに、A国に行ったら上陸できなくて、B国にも戻れないで隔離暮らしは勘弁!」
といった話題をしていた所、その直後に主演のトム・ハンクスさんもコロナに罹ってしまったようで…(-_-;)。

この1~2ヶ月程で世界情勢が劇的に変化しましたが、リフレッシュを上手に取り入れながら、この騒動を乗り切りましょうp(^-^)q !

という事で、コロナからの発想で、今回のお話しは東南アジアの疫病対策について。
…とは言っても疫学的な視点ではなく、PANDAN TREEらしく昔から地域に伝わる厄払いの儀式などについてのお話しを。

最近、疫病退散にご利益があると伝えられている九州ゆかりの妖怪アマビエが巷で人気ですが、では他国では…と考えた所、個人的には身近な地域に、おりました♪

それは、聖獣バロン(Barong)。

バリ島を訪れると、観る機会も多いバロン・ダンスのあのバロンです。

バロン・ダンス

島内の様々な所で上演されており、観光客に人気のバロン・ダンスですが、バリ・ヒンドゥーの人々にとってこの聖獣バロンは、善の側面を表している重要な神様。

バリ島では様々な舞踊が見られますが、自然のバランスが乱れると凶作や疫病が起こると考えられ、多様な儀式や奉納舞踊が行なわれてきたそうです。

また、バリ・ヒンドゥーでは、善と悪、昼と夜など、対極のどちらもが世界になくてはならないとして尊重されており、アジアの織物屋としての視点で見ると、ポレン(Poleng)と呼ばれる白と黒の市松模様の布も神聖なものと考えられています。

ポレンを纏った人々

善の代表がバロンであれば、悪の代表が魔女ランダ(Rangda)。

一見、バロンと似た見た目なので、どっちがどっち(?_?)?…と迷うかもしれませんが、ランダの方は舌がだらりと出た様子で表わされます(この細い前掛けのような装飾が舌を表しています↓)。

ランダ1

贔屓目かもしれませんが、バロンの方が愛嬌のある表情のような気がします( ̄▽ ̄)。

という事で、バリ島のお盆に当たるガルンガン(Galungan)のお祭りの際は、バロンやランダが集落から寺院へと練り歩き、夜にはそれぞれの村の寺院で善(バロン)と悪(ランダ)が戦う奉納舞踊チャロナラン(Calonarang)が数時間(!)に渡って演じられます。
このチャロナランを、1930年頃に観光客向けに1時間程にアレンジして上演し始めたのがバロン・ダンスだそう。

そして、
「あぁ、ガルンガンの時期なんだなぁ~」
…と気付かせてくれるのが、島中の街路に並ぶペンジョール(Penjor)と呼ばれる飾り。

ペンジョール1

このペンジョールが風にたなびく様子も、風情があって好きなんですよね~(^-^)。

ペンジョール2

(ペンジョールはオダランなど他の儀式の際にも飾られるので、渡バリの際に限定エリアでのみ飾られている場合には、どの儀式が行われるのか地域の方に聞いてみて下さいね。)

さて、このチャロナランは、豊穣と共に疫病払いを願うもので、19世紀末に島内にコロナが蔓延した際に、ジャワ・ヒンドゥー由来の善と悪の神々の戦いの物語を上演したのが始まりだとか。

地元の人にとっては小さな頃から身近な劇だそうで、丁度ガルンガンの時期に滞在していた際にお世話になっていた人から、
「今夜、ウチの村で劇をやるから見においでよ。お店も出てるよ~。」
と、お誘いを受けたのですが、問題は……時間の長さ(-_-;)。
なにせ、夜9時~10時頃から4~5時間は掛かるという長丁場な劇。
しかも、途中で帰ると悪霊が憑いてきてしまうらしい(゚Д゚;)!

その際は、次の日の仕入れに支障が出そう&正装のクバヤを持っていなかったので、出店にだけお邪魔して、悪霊に憑かれないように劇が始まる前に帰りましたが(^^;、次の機会には準備万端で参加してみたいと思います!

因みに、ガルンガンは210日周期のウク歴に合わせて行われるので年2回とのこと。
バリ島を訪れた際に、もし島中の街路に新鮮なペンジョールが華やかに並んでいるようでしたらガルンガンの時期だと思うので、島の方に聞いてみて地域のチャロナランを観劇してみてはいかがでしょうか(^-^)。

また、バロン・ダンスと並んで人気のあるケチャ(Kecak)も、

ケチャ

起源は、疫病が蔓延した際に行われるサンヒャン(Sanghyang )と呼ばれる呪術的な宗教舞踊だそうで、こうして改めてみると、島で何気なく観劇していた舞踊の意味合いを知れて奥深いものがあります。

そう言えば、ケチャやバロン・ダンスなどを考案したと言われるウォルター・シュピースの描いた『チャロナラン』がウブドのARMAに展示されていますので、渡バリの際は是非ご覧下さい。

チャロナラン

という訳で、今回は疫病退散!…を願い、バリ島に由来の神様や舞踊などをご紹介しましたが、次回はその繋がりで、私も大好きな豊穣の女神CILIをご紹介したいと思います。

皆さん、手洗い・うがいに努めましょうね(^-^)。

バロン2

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