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アジアの織物 PANDAN TREE blog

~アジアのことから身近なことまで、きままブログ~
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織物の中のモチーフ【船】

厳しかった暑さも和らぎ、ようやく秋らしさが始まる予感ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、ここの所、暑い時にはエスニック料理!・・・という事で、アジアの料理に関する記事続きでしたが、今回は本職に戻って久し振りに「織物の中のモチーフ」シリーズを。

今回のお題は「船」。

個人的にも大好きなインドネシアの織物ですが、インドネシアと言えば世界最多の島を抱える島嶼国家で、島の数は13000以上。
現在は人工衛星での調査でかなり正確な数がはじき出されているようですが、少々前までは未だに知られていない島が存在するという話もあった程。

そんな海に囲まれた島が点在するインドネシアの織物には、船が登場する事があります。

先日PANDAN TREEサイトにUPさせて頂いたスマトラ島パミンギル族による霊船布もその一つ。

スマトラ島霊船布

アニミズムの霊船思想に基づくカパルハヤット(霊船文様)が縫い取り織りであしらわれる事が多いため、日本では霊船布、英語ではShip clothなどと呼ばれ、現地では大きさによって、

・タンパン
・タティビン
・パレパイ

と呼ばれますが、祭儀で用いられる種の織物で、魔除けの意味合いを持つとされます。

このカパルハヤットとは死者の魂を天界に運ぶ船を指します。
布面を良く見て頂くと霊船の上に鳥が見られるかと思いますが、この鳥は天上界を象徴し、天上界と下界を繋げる意味合いを持つと伝えられます。
そして点在している人物像は祖先やシャーマンを表しているそうです。

大船の横には小舟に乗った人物像が見えたり、海に魚が泳いでいる風情が織り込まれた物もあったり・・・と、じっくりと布一面に散らばる文様を眺めているだけでも飽きません。

産地のランプン州南部クルイ地方では20世紀初頭まで実際に船に死者を乗せて海に流す風習があったそうで、因みにパミンギル族は、以前は宗教儀式として首狩りも行っていたそうです。

そして、様々な文様が躍るこちらのフローレス島イカット。

フローレス島イカット

こちらは上記の霊船布とは趣が変わって、日常生活に関連のある文様が織り込まれた楽しい風合いの織物。

お近くのコモド島に生息するコモドドラゴン、蝶々、鳥、アクセサリーなどと共に、船もしっかりと登場。
船の近くには魚が泳いでおり、思わず豊漁を願いたくなるようなユニークな味わいがあります。

織物にあしらわれる文様は地域によって様々ですが、伝統と共にバラエティー豊かで時折ユニークさも感じさせてくれる多様な文様達。
しみじみ眺めていると、織りで文様が生み出される技の素晴らしさにますます惚れてしまうPANDAN TREE店主でしたm(_ _)m。

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