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アジアの織物 PANDAN TREE blog

~アジアのことから身近なことまで、きままブログ~
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布に想う

梅雨入りも間近。
これで雨不足も解消されるのかな・・・と、例年の梅雨入りよりは雨歓迎気分な今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

という訳で、昨今は新商品アップのために、先日仕入れをしてきた古布を状態に合わせて洗っては整えて保管し、次を洗って・・・といった日々なのですが、それぞれの織物を眺めつつ、東南アジアの織物を取り巻く環境の変化を思い出したりしております。

2002年にPANDAN TREEを始めた頃は、東南アジアの様々な所で身近に垣間見られた伝統的な染織シーンですが、ここ最近はこうした何気なく眺めていた染織シーンが稀なことへと変化した地域が多くあったりします。

例えば、手織りの絣を日常着の腰巻などとして身に着けていた地域の人々が、最近はマシンメイドの市販布で作られたサロンを身に纏っていることが大部分になったり。

以前は、至る家の軒先で織りの風景を見ることができた地域が、数件の工房での染織に集約し、各家々での染織は行われなくなっていたり・・・と、そうした変化の場面を見る度に、様々な思いが去来したりします。

例えば、家で機織りをしているお母さんを幼い頃から眺めているうちに、自分もお手伝いを始め、徐々に織物づくりに興味を持ち、腕を上げていく・・・といった、これまで染織文化が受け継がれてきた自然な継承の流れが、各家々での染織が行われなくなることによって失われかねないのですが、でも反面、個人的には、今まで幼い頃から家事仕事などに縛られてきた女の子達が教育を受け、見識を広めて羽ばたいていくという事も素晴らしい事だと思っております。

言うなれば、どちらが良いとは一言では言えないジレンマな部分ですね(^^;。

当ブログは、ややもすると敷居が高く感じられる伝統織物を、老若男女様々な方に、様々な視点で楽しんで頂き、織物だけでなく現地の人々や風土にも興味を持って頂ければ・・・と思いながら書かせて頂いている訳ですが、時には公演や展示会のご依頼なども頂いたりします。

有り難い事だな~・・・と思う反面、その度に感じる事は、
「こうした企画をされる方々にこそ、是非現地を一度訪れて、良い面も悪い面も、時代の流れによって生じた変化も含めて、様々な視点から見てもらいたい。」
ということ。

伝統工芸品といった色合いが強くなった日本の染織品に比べると、東南アジアでは、まだまだ人々の日常生活と伝統織物の距離は近いかと思います。
上記の様に、伝統的な染織シーンが変化し始めた地域が増えている過渡期ではありますが、だからこそ、まだ伝統的な染織シーンが所によっては残っている今のうちに、是非一度実際に訪れて、様々な事を見て感じた上で企画に生かして頂ければ・・・と。

多分、良きにつけ悪しきにつけ、様々な事が目に飛び込んできて、理想や想像とは異なったという部分や事柄もあるかと思います。
でも、そうした全てを含めても、訪れて後悔はないと思います。

今後はもしかしたら、昔ながらの染織文化の衰退に危機感を抱いた現地の有志や、はたまた海外からの援助によって染織文化の復興といった動きもより一層出てくるかと思います。
でも、家族のために・・・などといったこれまでの形とは、多かれ少なかれ異なった感じでの継承・復興となりうると思います。

ですので、こうした企画をされる方々にこそ、是非今のうちに現地を実際に訪れて、脳裏に刻んでいてもらいたいと切に願うばかりです。

フローレス島の市場にて

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